第11回伊藤杯大倉山サマージャンプ大会

高梨沙羅が50㎝差で伊藤有希に連勝 連日の兄弟対決は小林陵侑が勝利

2017年11月4日(土) 札幌市 大倉山ジャンプ競技場 HS134/K120 

 

高梨 沙羅、伊藤 有希、勢藤 優花

 

女子組(ゲート1本目16) 

① 高梨 沙羅(クラレ) 139.4pt(135.5m)
② 伊藤 有希(土屋ホームスキー部) 138.5pt(135.0m)
③ 勢藤 優花(北海道ハイテクアスリートクラブ) 79.7pt(104.0m)

リザルト

男子組(ゲート1本目9)

① 小林 陵侑(土屋ホームスキー部) 136.5pt(132.5m)
② 小林 潤志郎(雪印メグミルクスキー部) 127.9pt(128.0m)
③ 葛西 紀明(土屋ホームスキー部) 126.0pt(127.5m)

予選リザルト
リザルト


 

札幌での冬季国内開幕三連戦の2戦目。
サマージャンプ大会と銘打ってはいるがアイストラックでの開催。
前日の全日本選手権NHで採用されたGF/WFは残念ながら採用されず。
なんでも、三連戦最終日の全日本LHでも採用されないとのこと。残念すぎる。

 

そして伊藤杯サマーとしては初めて予選が行われることとなった。
しかしこれを試合当日に試技に代わって行ったことが災いの始まり・・・ 

 

この日の大倉山は前日よりも7~8度も気温が低く、強く冷たい風が吹き付けた。風向風速はいつも以上に定まらず、男女ともにゲートはかなり低めの設定。
女子の試技は割とサクサク進んだが、73名がエントリーした男子の予選は公平を期す必要があるのでそうはいかない。
GF/WFが採用されていれば、まだ少しは公平性と安全性の一翼をそれらに担わせることもできただろうが、採用されていない以上はシグナルコントロールで公平性と安全性を図るしかない。
結果としてレッドが頻発。遅々として先に進まない。

 

風向風速が不安定で先に進まないことは大倉山ではよくあることだけど、今行われているのは予選。そう、つまりこの日は、こんなに時間がかかるものを1日に2つ、つまり予選と本戦の両方を成立させなければならないのだ。
はぁ、昨日に続いて今日も長丁場。気が重くなる。

 

それでも何とか終わりが見えかけた予選終盤に、小林潤志郎がヒルレコードオーバーの147.0m(予選の為非公認)を出してしまったからさぁたいへん。
9番という低めのゲートにもかかわらずHSを13メートルも超え、「怪我が頭をよぎっちゃった」と本人も言うほどの特大ジャンプが出たのに、GFが採用されていないのでゲートを下げることもできない。
潤志郎よりもまだ飛距離を出しそうな後続の3人(竹内、伊東、葛西)にこのまま飛べと言えるわけもなく、結局レッドでまたまたしばし中断。

 

終わってみれば予選だけのために、なんと1時間59分もの時間が費やされてしまった。

 

その結果、本戦開始は遅れに遅れて12時15分。これ、通常なら1本目が終了するような時間。
う~ん、試合当日に予選を行うならWFはともかくとして最低でもGF採用とセットで行う必要があるのではないだろうか。でないと、このように試合開始時間に多大な影響を及ぼすことになる。もちろんGF/WFがあったとしても遅れるときは遅れるだろうけど・・・
また、試技は運営が本戦に向けて適正ゲートを探る場でもあると思うのだが(実際、試技の途中でゲートを変更することはよくある)、GF採用なしの予選では適正ゲートを探る機会も奪われてしまう。

 

女子組

高梨 沙羅
① 高梨 沙羅(クラレ)

 

伊藤 有希
② 伊藤 有希(土屋ホームスキー部)

 

勢藤 優花
③ 勢藤 優花(北海道ハイテクアスリートクラブ)

 

茂野 美咲
4 茂野 美咲(CHINTAIスキークラブ)

 

御家瀬 恋
5 御家瀬 恋(下川商業高校)

 

岩渕 香里
6 岩渕 香里(北野建設)

 

男子組

小林 陵侑
① 小林 陵侑(土屋ホームスキー部)

 

小林 潤志郎
② 小林 潤志郎(雪印メグミルクスキー部)

 

葛西 紀明
③ 葛西 紀明(土屋ホームスキー部)

 

永峯 寿樹
4 永峯 寿樹(明治大学)

 

中村 直幹
5 中村 直幹(東海大学)

 

佐藤 幸椰
6 佐藤 幸椰(雪印メグミルクスキー部)

 

表彰式

高梨 沙羅、伊藤 有希、勢藤 優花
女子組 伊藤、高梨、勢藤

 

高梨 沙羅
女子組最長不倒賞 高梨 沙羅 135.5m

 

小林 陵侑、小林 潤志郎、葛西 紀明
男子組 小林潤、小林陵、葛西

 

小林 陵侑
男子組最長不倒賞 小林 陵侑 132.5m 

 


 

不幸の連鎖は続く。
12時15分に始まった女子1本目は意外なほどサクサクと終わったが、12時45分に男子1本目が始まるとみぞれが降ってきて、これが新たな災いをもたらす。

 

アイストラックにみぞれが付着してしまい、その除去のために30分ほどの中断。
真冬の雪と違って、湿ったみぞれはブロワーで吹き飛ばすことができないので、ブラシでこすって除去しなければならず時間がかかるのだ。
男子1本目50人に1時間23分を費やし、終わったのは14時過ぎ。通常なら表彰式が終わっていてもおかしくないような時間。

 

結局、みぞれ付着によるアプローチの状態不良で男女ともに2本目はキャンセルとなった。
もし2本目を行っていたらいったい何時まで掛かったのか。考えただけでゾッとする。
伊藤杯サマーは、昨年は強風のため中止。一昨年はランディングバーンに雪が積もり延期。6年前にはアプローチに落ち葉が積もって途中で中止。
要お祓い。

 

男子は、前日に続いての兄弟ワンツー。
前日の勝者である兄・潤志郎に弟・陵侑が最長不倒で勝利した。
女子は高梨沙羅が2連勝。
伊藤有希は飛型点で並んだが50㎝の飛距離の差で敗れて連日の2位。

 

 

小林 陵侑、小林 潤志郎、葛西 紀明

 

 

12時の気温が2.3度。
真冬と違ってそこまで防寒対策を完璧にしていないことに加えてみぞれでズブ濡れで寒いこと寒いこと・・・ 
過去トップクラスの苦行だった。
やはり要お祓い。